できるだけ歯を削らないMI治療

MI治療とは

MI治療とはミニマルインターベンションの略で、体への負担を最小限にする歯科治療の総称です。特にむし歯治療では、接着材を活用することで、歯の健康な部分を削らずに治療ができるので、一生にわたって自分の歯を守ることにつながります。

担当医

田上 順次

歯の保存の専門家 / 医療法人徳真会 先端歯科センター長

 1995年より2021年まで、歯の保存治療を専門とする東京医科歯科大学歯学部保存学講座(現:う蝕制御学分野)教授を務める。この間、歯学部長、大学理事、副学長を歴任。う蝕(むし歯)をはじめ、さまざまな歯のトラブルに対して、なるべく歯を削らずに健康な歯質を保存し、接着材を活用した新しい歯の治療方法の研究と臨床の世界的権威。日本歯科保存学会、日本接着歯学会、日本歯科審美学会の理事長を歴任、米国の学会のアドバイザーなども務める。国際学会や国内外の大学における招待講演、講義も多く行い、現在も診療とともに、海外への講義配信も多く行っている。  歯を一生保存することを第一に考えて、かつ審美的な結果が得られる新たな治療法を40年間にわたり開発、実践している。麻酔の注射なしでも痛くないむし歯治療を国際的に普及させ、歯のないところにも、インプラントや入れ歯に代わる治療法として、両側の歯を削らないダイレクトブリッジを提唱し、普及に努めている。

ダイレクトボンディング治療最新の接着技術と複合材料を使用する“むし歯治療”

MIのむし歯治療では、80-90%のセラミック粒子を樹脂で固める複合材料(コンポジットレジン)を用いて、歯に強力に接着させて歯の形や色を再現します。この接着技術により、歯を大きく削って材料をはめ込んだり、かぶせる必要がないので、むし歯に侵された部分を取り除くだけで治療が完了します。天然の歯と比べて硬すぎることもなく、ほぼ同程度の強度で、しかも美しい仕上がりが得られます。削ると痛い健康な歯の部分を削らないので、ほとんどの場合、麻酔の注射も不要です。また、少し熟練の技術を必要としますが、最近でダイレクトボンディングにより、無くなった歯を再現するダイレクトブリッジという方法も可能となり、インプラントや従来の両側の歯を削るブリッジに替わる方法として注目されています。

従来のむし歯治療と
MIコンセプトのむし歯治療の違い

従来のむし歯治療

  1. むし歯の部分を削る
  2. 今後むし歯になりやすい健康な歯も一緒に削る
  3. 更にかぶせ物をするための都合のよい形にするために健康な歯も削る
  4. かぶせ物(特に銀歯)と健康な歯の間でむし歯が再発する
  5. 再度、むし歯を削って治療する

というように、むし歯になる度に多くの健康な歯が削られていくという悪循環が起こりやすくなります。大きなむし歯であれば神経を取ってかぶせ物を入れたり、歯が抜けてインプラントや義歯のような高額な治療に発展することにもつながります。

MIのむし歯治療

  1. むし歯の部分のみを削る
  2. 削った部分をコンポジットレジンで埋める

簡単な治療に感じますが、近年の技術の進歩により、このような治療ができる素材が開発されました。通院回数も少なく、多くの場合麻酔をすることもなく治療を行うことができます。従来のように歯を余計に削ることがないため、健康な歯を極力残すことができます。

ダイレクトボンディング治療の
3つのメリット

むし歯の再発が少ない

かぶせ物やつめ物などの補綴物を被せる治療では、どうしても、歯と補綴物の隙間に、むし歯の再発のリスクがありました。MIでは、むし歯を取り除いた穴にコンポジットレジンを流すため、隙間も生じることがなく、むし歯の再発リスクを軽減できます。

多くの場合、無痛治療が可能

従来のむし歯治療では、健康な歯の神経が通った痛みを感じる箇所まで削ることもあり、麻酔も必要になってきます。ですが、MI治療では、痛みを感じることがないむし歯の部分のみを丁寧に除去することで、麻酔をしなくても痛みをほとんど感じずに治療することができます。

自然の歯に馴染む、美しい見た目

コンポジットレジンには、80~90%の割合でセラミック粒子が練り込まれております。周囲の自然の歯の色に合ったコンポジットレジンの色を選択することで、見た目にも美しい仕上がりが期待できます。

MI治療の大きなむし歯への対応

むし歯があまり大きくない段階ではダイレクトボンディング治療が可能ですが、神経まで届くむし歯は以下のような治療方法になります。

むし歯が大きく、やむをえず神経を取り除く必要がある場合

C3といわれる、むし歯が神経に達している場合、できる限り抜歯にならないように、歯の保存治療である「根管治療」を行います。神経を取り除き、汚染された歯の根の中をきれいにする必要があります。その後、かぶせ物を製作し、装着する流れとなるのが一般的ですが、この場合でもダイレクトボンディング治療であまり歯を削らずに治療することも可能です。

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やむをえず抜歯となった場合

できる限り、神経や健康な歯質の保存に努めますが、それでも抜歯が避けられない状況はあります。この場合の選択肢としては、インプラント治療、ブリッジ治療、部分義歯などがあります。中でも周囲の歯への負担が少ないのはインプラント治療ですが、最近では新たな選択肢として、「周囲の歯を削らないブリッジ治療」である「ダイレクトブリッジ」が注目を集めています。

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